日タイロングステイ交流協会便り(2021年3月)
2021年03月13日(土)
1. ロングステイ財団 2021年次総会 2月18日 オンライン
初のオンライン年次総会が開催。総会には法人会員と役員(会長以下)、事務局が参加する( 筆者は政策審議委員として例年出席)。
田川会長(日本旅行業協会会長)挨拶、事務局長の2020年報告・2021年計画を発表。
1.新しいロングステイライフの普及啓蒙の活動
2.ロングステイ推進の担い手になる人材育成
3.ロングステイを活用した地域支援活動
4.2021年度事業方針 *ロングステイフェアは 3月27日(土)・東京
本年は 政策審議委員の*溝尾朗医師の講演(50分)「旅行医学における コロナウイルス感染防止 」が目玉であった。 *旅行医学会、ロングステイ学会
タイ医療(特にバンコク・チェンマイ医療ツ―リズム)にも知見を持つ溝尾朗医師は、東京新宿メディカルセンター(旧厚生年金病院)の内科部長(呼吸器感染症担当)で昨年ダイヤモンド・プリンセス船でも治療を行った。「船内乗客は 三密でマスクも付けず、大声で会話する状況であった」。
マスコミで発言する医療評論家と違い、実践でコロナに対応してきた溝尾医師の講演内容には説得力があった。「正しい情報獲得、三密回避(人混みを避け、リモートワ―ク)、マスクは正しく利用(密着・鼻・口)、手洗い励行。 ワクチン接種は効果あり」など。
2.タイ高齢者対策の進展
1 タイ王国は65歳以上高齢者の比率14%の高齢社会(Aged Society)に突入。7%の高齢化社会(Aging Society)からは20年で 日本より高速である(日本は24年)。
12月便りに、タイ投資庁BOIが 11月に「高齢者のための「高齢者病院」「高齢者介護サービス」を投資奨励対象業種に新認定した と紹介した。
「介護サービスでは介護保険もなく、介護士の公的資格もないタイ王国に対して、日本は 介護ノウハウに加えて最新技術活用を供与できる。 例えばロボット(介護者用・被介護者用、省労力・癒し、除菌・清掃・配膳)、センサー・映像・ICT(防犯・見守りなど)、AI (情報・多言語理解) の導入によりタイ王国の伝統的介護意識や制度・運営実行が変えられる」との私見も述べた。
2 更に タイ保健省は介護事業者へのライセンス発行を1月27日に開始した。
理由は「高齢社会に突入し、今後介護サービスを必要とする高齢者が増加するので、高齢者が安全にサービスを享受できるように、介護事業に対し安全などの基準を設ける必要がある」としている。
省令では、介護事業は「高齢者や扶養家族に対して介護サービスを提供し、健康の回復や促進を図ること」と定義して、「施設介護」「短期入所(ショートステイ)「訪問介護」の三事業に分類している。三事業に関わる場合は事前にライセンス取得が必要になった。
現在のタイ高齢者施設・介護施設は無届が多いので保健省が乗り出すのは大進歩である。
介護と医療は密接・連続しているが、泰国では医療は「保健省」、介護は「社会開発・人間安全保障省」であり、日本の関連支援事業でもスムースな連携が妨げられていた。
3.コロナ感染とワクチンの状況 東南アジアとタイ王国
4月のタイ王国への赴任と定年後のロングステイ実施のため、最近はタイビジネス研修やロングステイの相談・セミナーの依頼が増えている (入国後14日隔離があるので、2月下旬から3月中旬に集中)。なお コロナ感染と反政府集会・デモへの関心が高い。
アセアンのコロナ感染対応では、越国・泰国は高評価で、尼国・比国は低評価だった。
泰国の2020/5の累計感染者3081人・死者57人、11月末で感染者3998人・死者60人で収束近い状況であった。しかし感染者急増で12月末6976人、2021年1月末17953人、2月末5951人となった。これはBKK隣接(南西)のサムットサコン県の海鮮市場や世界有数の海産加工工場で働くミャンマ―人の感染クラスターの発生に起因する。
従って 昨年3月からの非常事態宣言は延長の連続で今月末まで続く予定である。
数年 当協会はロングステイ、遠隔医療や障碍者リハビリ・スポーツプロジェクトで、協会理事の *Vichaivej病院と連携しており、時々の訪問時には見学する所である。
ミャンマ―人労働者は近隣の住民数を上回るので、アウンサンスーチ氏は来泰時に最初に訪問している。 *近隣のVichaivej4病院はコロナ感染対策に貢献している。
東南アジアのワクチン接種は各国の社会政治情勢と中国のワクチン外交が反映している。
泰国のワクチン接種は2月末開始(中国製とアストラゼネカ)、越国はアストラゼナカ・ロシア製・国産を検討、尼国は1/13中国製で接種、比国は2月中国製で開始、カンボジアは2/10中国製接種、ラオス、ミャンマ―人も中国製志向。 印度は1/16アストラゼネカ接種と印度製を といった状況である。
以 上
引き続き 日タイ ロングステイ交流協会へのご協力ご支援をお願い致します。
2021年3月13日
日タイ ロングステイ交流協会
理事 事務局長 上東野幸男