日タイロングステイ交流協会便り(2019年12月)
2019年12月15日(日)
1.海外在留邦人統計 2018/10/1現在
定義:3ヵ月以上滞在し届出した日本人
外務省の海外在留邦人統計(概要)が11月に久しぶりに発表された。例年のような詳細内容ではなく、在タイ日本大使館は未発表である。
① 世界全体で1,390,370人 前年比2.8% 男660,240千人 < 女730,130千人
② 長期滞在876,620千人・永住513,750千人、北米37%、アジア29%、西欧16%
③ 上位10カ国
1.米国447千人 2.中国120千 3.豪州98千 4.タイランド76千 5.カナダ74千 6.英国61千 7.ブラジル51千 8.ドイツ45千 9.フランス44千 10.韓国39千 * 前年比マナスは中国・英国・ブラジル・ドイツ
④ アセアンはタイランドに次いで シンガポール37千人、マレーシア27千人、ベトナム22千人(前年比+28%)、インドネシア20千人、フィリピン17千人、カンボジア4千人、ミャンマー3千人 である。
2.在日外国人統計 2018年末現在
法務省の在日外国人数は 全体で2,731,093人 (男1,328千人 女1,403千人)。中国765千人、韓国450千人、ベトナム331千人(急増)、フィリピン271千人、ブラジル202千人、ネパール89千人 の順である。
アセアンでは ミャンマー26千人、カンボジア12千人、ラオス3千人。
3.ロングステイ人気国・地域(ベスト10)の比較
順位 | 国・地域 | 在留邦人数 | 在日者数 | 備考 |
1 | マレーシア | 26,555 | 10,368 | |
2 | タイランド | 75,647 | 52,323 | |
3 | ハワイ | 24,037 | ||
4 | フィリピン | 16,894 | 271,289 | 在日女性192千 |
5 | オーストラリア | 98,436 | 11,406 | |
6 | 台湾 | 24,280 | 60,684 | |
7 | カナダ | 73,571 | 10,713 | |
8 | インドネシア | 19,612 | 56,346 | |
9 | シンガポール | 36,624 | 3,042 | |
10 | アメリカ本土 | 446,925 | 57,500 | 含む ハワイ |
4.ロングステイフェア2019
11月23日(土) 東京
主催:ロングステイ財団 後援:経産省・外務省・観光庁・農水省・日本観光振興協会
恒例の日本最大のロングステイ・イベントが各国観光庁・局(タイランド・米国・豪州・ニューカレドニア・マレーシア・フィリピン・インドネシア・台湾など)、財団海外サロン(ウイーン、マルタなど)、地方自治体、LS関連事業者(リゾート・旅行・ホテル・開発・金融・教育など)が参加して、セミナー・ブース展示・相談受付が行われ終日盛況であった。
最近のロングステイの変化(新潮流)=「ワーケーションや「ノマド(遊牧民)」=の増加で、ロングステイ目的(内容)や滞在地も多様になっている。セミナー内容も多岐になり、概要的なものより細かい生活情報が重視されている。
ア チェンマイ チェンライ
外国人全体にも人気の滞在地チェンマイ周辺は生活環境の向上(バス路線)により、仕事も休暇も満喫できる「ワーケ―ションの地」として各国から注目されている。
2018年のタイランド在留邦人の駐タイ大使館(BKK)管轄は72,520人。チェンマイ総領事館管轄(北部9県)は3,127人(前年3,221人)で 6割以上がロングステイヤー。
イ パタヤ シラチャ
パタヤは 特別区として観光地のマイナス面を改善、歓楽地と生活地区を区分。今後タイランド4.0経済政策としてEEC(経済特区)の開発(空港・鉄道・港)で生活環も更に向上する。
ハ カオヤイは国立公園(自然遺産)の魅力とリゾート開発・道路整備等で新しい長期滞在適地として注目されている。
5.バンコク滞在生活費
バンコクの生活費(外国人滞在)の順位が上昇している。英国ECA社が2019年のアジアでの駐在員生活費の都市別順位を発表した(12月10日)。
東京(2位)、横浜(4位)、名古屋(5位)、大阪(6位)、ソウル(8位)、マカオ(9位)、上海(10位)。バンコクは17年(122位)・18年(90位)から19年はバーツ高もあって47位に上昇。チェンマイも順位が上がった。
6.アジアからの入場者増加の各種イベント
9月から12月は国際的イベントの開催が多く、タイランドからも多数の関係者の参加があった(観光・ロングステイ、医療・介護、スポーツ等の官・民・学術の関係者)。即ち 高齢化する各国とも日本の先端技術と重老齢社会への対応を学ぼうとしている。
*高齢化(65歳以上7%)→高齢(14%)→超高齢(21%)→重老齢社会
現在 日本は約26%である。
① 第46国際福祉機器展(HCR2019) 9/25~27 東京B.S.
14ヵ国・地域 約550団体・企業が参加 入場者約12万人
食・衣・住、生活全般・医療・介護、移動・車、情報・通信などの個人用と施設用の福祉関連商品とソフト。政策や新技術の紹介やセミナーには車いす(身障者)や高齢者と医療介護従事者が目立った。 海外の出展者・入場者も増加した。
② 20th CEATEC 10/15~18 幕張M
電子、情報通信、PCソフトが中心の最大の先端技術展である(過去の映像電気品のエレクトロ二クスショーから内容・出展者も大きく変貌)。今後の Society 5.0(超スマート社会)=「繋がる社会(CPS/IoT)」「共創する未来」を目標にして、最新の通信5G、映像8K、ロボット、センサー、ドローンなどを応用した未来シーン(個人生活、教育、インフラ、災害対策、流通・販売・サ―ビス、医療・介護、製造・農業など)を提案している。 CPS:Cyber Physical System(物つくり進化)
③ 11Th MEDIX メディカル ジャパン東京 ( ヘルスケア・医療介護の総合展)
10/23~25 幕張M 参加:600社 入場:3万人に急増
④ 第46 東京モータ―ショー2019 10/24~11/2 東京B.S 入場者130万人
電動化(EV)と自動化。自動車メーカーだけでなく、電機・通信・IT産業も出展。
CEATEC(Combined Exhibition of Advanced Technology)と同じく潮流が変化。
⑤ HOSPEX Japan 2019 11/ 20 ~22 東京B.S.
The 44 th International Healthcare Engineering Exhibition
健康・介護・医療看護への IoT・AI の導入
⑥ アグロ・イノベーション 2019 11/20~22日 東京B.S.
種子改良・効率栽培・省人収穫などで農業再生。 大学からの発表が目立つ。
⑦ 第21回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー 8/21~23 東京B.S
タイ日本料理店や日本食好きなタイ友人が多数入場。日本食ブームでタイ王国の日本食店は3千7百店に増加(特にBKK以外)。
⑧ 第23回 国際ロボット展 (IREX2019) 12/18~21 東京B.S.
世界最大のロボット展 「ロボットがつなぐ人に優しい社会」 637社・団体
私見
上記の国際的展示会に継続的に参加すると、グローバル化、社会動向、先端技術、産業盛衰、企業浮沈なども伺い知れる。今後の日本は人口減、超高齢・少子、国際交流、社会福祉(年金・健康医療・介護)、エネルギー・自然災害などの諸問題を抱えてSociety5.0を目指し、IoT・AI・センサー・ロボット・5G・8Kなどの先端技術を活用したインフラや商品・ソフトが急速に社会・産業・個人生活に浸透するのは明白である。
どう対応するかは難しく、知識や注意も必要である。タイ王国などアセアン諸国は日本の先進技術や重老齢社会対応施策を注目しており、展示会海外入場者は増加している。
個人的に印象の強かった展示・実験・セミナー
*ウエアラブル・センサによるラグビー選手の運動量(走力)測定
個人のセンサーは 時計・メガネから着衣にも発展(繊維会社の参入)
*遠隔医療・脳手術(高性能手術ロボットx5G通信x8K映像)
*ロボットによる花・果物・野菜の収穫 *毛細血管・血管年齢等の個人測定
*AIxセンサーによる大容量調理器(オリンピック)
*無人店舗・無人ホテル
7.タイ王国ナショナルデー The National Day of the Kingdom of Thailand
12月5日は プミポーン大王(ラマ9世)の誕生日、父の日です。現在タイ王国ナショナルデーとなり、駐日タイ大使主催レセプションには当協会のメンバ―も招待されています。 冒頭 シントーン新大使が英語と日本語で挨拶されました。新大使は日本留学や在日タイ大使館勤務のご経験から当協会にはお馴染みの方であり、日本人ロングステイにもご理解があります。
なお 駐タイ日本大使も佐渡島大使から梨田大使に替わります。当協会の会員には梨田大使に親しい先輩(中学校以来)がおられます。
以上
日タイ ロングステイ交流協会
事務局長 上東野幸男
日タイ ロングステイ交流協会は 2005年1月・在日タイ王国大使館で設立(総会開催)されました。 来年は15 周年を迎えます 更なる飛躍のために引き続き皆様のご支援ご協力をお願い致します。