【会員の広場】貴方も、ポールウォーカーになりませんか?
~目指せ、一家に一人のポールウォーカーを!~
2022年02月07日(月)
一般社団法人日本ポールウォーキング協会 元専務理事兼事務局長
峯岸 瑛
コロナ禍ではどうしても運動不足になるので、運動不足による健康2次被害は大きな社会問題となります。誰でも取り組める手軽な運動はウォーキングです。また、超高齢社会では、健康長寿な高齢者こそ誰でも何時でも何処ででも社会参画していることが望ましい、と考えられます。安藤邦彦ドクターが考案されたポールウォーキングは、こうした課題に寄与できる歩行メソッドです。
1. ポールウォーキングとは?
整形外科医でスポーツドクターでもある安藤邦彦ドクターの診療室から「競歩」を参考に考案された歩行メソッドです。
そのスタンダード技術は、以下の通りです。
① ポール長の調整:適したポールを選択し、適切な方法で望ましいポール長を得ます。
② グリップ:手のひらに作った関節でポールを保持するようにグリップします。
③ スクリーニング:つま先上げ、かかと上げ、膝上げで身体状況をチェックします。
④ 腕の振り:パンチ&プルは、体幹の回旋を通じ歩幅を拡大します。
⑤ スタンダードスタート:おまじないを唱えながら、右利きであれば右手・左足、左手・右足と連動させます(左利きであれば左手・右足、右手・左足の順です)。
⑥ 基本フォーム:以下の3つのポイントと3つの意識があります。
【3つのポイント】
ⅰ)遠くを見る、
ⅱ)歩幅を半歩広く(半歩とは足裏の半分の意)
ⅲ)ポールは振り出した足のかかと辺りに置く
【3つの意識】
a) 肘を引く
b) かかと接地と、つま先離地
c) 楽しむ
2本のポールを持った静止状態では、両足と両ポールによって囲まれた面(支持基底面と言います)内に身体の重心があれば転倒しないので、立位の体操や筋トレを安全に実施できます。歩行状態では、接地したポールによって支持点が増え、支持基底面が形成されたり広がったりし、踵が着床する時には安定な3点歩行が実現します。しかも、振り出した足のかかと辺りにポールの先端が置かれているので、片脚立位時のバランスが維持され、効率の良い、横揺れの少ない左右対称の動的歩行が実現します。
歩幅が増え、上半身の筋肉も積極的に使うので、運動量は通常歩行に比べ増加します。にこにこペースの強度では、歩行中にも会話でき、平行位置からの指導は威圧感のない運動指導になります。運動強度を途中で変えたり、筋トレなどを取り込めば、更に楽しい運動プログラムを創案できます。
2. ポールウォーキングへの期待
ポールウォーキングは中高年の健康増進に加え、フレイルなどによる日常生活制限や、運動器疾患や転倒による骨折の予防やリハビリ、認知症対応など、医療の予防と治療の両側面でも貢献します。
高齢者の心身の状態は多様です。ポールウォーキングでは、個別指導の最適化を図るため、運動強度を変えたり、スタンダード技術を身体状態に合わせて進化させます。一般社団法人日本ポールウォーキング協会(以下、NPWA と略す)は、昨年『アドバンスコーチ指導マニュアル』を改訂し、これらのノウハウを詳細に公開しています。
3. 誰でも、何時でも、何処ででも
診療報酬費の自己負担割合が引き上げられ続ければ、健康度合いは、老後の家計に長期にわたりますます大きな影響を及ぼします。運動が第二の薬と言われてから久しいですが、「健康度合いに応じて保険料が安くなる生命保険」の発売など、少子高齢化は、社会保障費増大などを通じ、「健康の価値を引き上げ、更に貨幣価値として見える化する」ようにますます作用すると思われます。
ポールウォーキングは、日常生活の中で、効果的に、何処でも、何時でも、安全に、安価に、足腰の弱った方、持病を持つ方も含めて、多くの人ができるウォーキング・メソッドです。
ウエラブル機器の進歩、映像やビックデータからの解析法の発展などは、万人にとってのリアルタイムな健康管理を可能にします。同時に、多方面の医療や健康体操などと連携したポールウォーキング・リエゾン(連携)のネットワークに、誰でも、何時でも、何処ででもアクセスできれば、健康長寿を目指す人類にとっては大いなる福音になります。ポールウォーキングは、世界に誇れる日本発の貴重な運動処方です。
4. 目指せ、一家に一名のポールウォーカーを!
ポールウォーキングの普及には、ポールウォーキングの正しい技術と健康知識に基づき各人に最適な運動指導ができ、各人が信頼する指導員が不可欠です。
NPWA は協会公認の認定指導員を育成しますが、普及の鍵は、認定指導員の指導を受け正しいポールウォーキングの技術と健康知識を持ち、且つ、いつでも新たな関連する情報を探索し入手できる、『ポールウォーカー』の存在です。数多く、世界中に、どの家族にも一名以上のこの『ポールウォーカー』がいることが理想です。
貴方も、家族全員の健康増進と健康長寿を実現する『ポールウォーカー』になりません か?