【会員の広場】100歳時代を健康に歩く「1回10秒のひざ上げドリル」
2022年01月11日(火)
慶応義塾大学医学部競走部ヘッドコーチ
株式会社うごきのクリニック代表取締役
後藤 淳一
厚生労働省の調査によると、骨や関節、筋肉などの機能が低下するロコモティブシンドローム(運動器症候群)の症状がある人は、全国で推定4700万人。健康寿命をおびやかす要因として、警鐘が鳴らされています。腰やひざ、股関節の痛みを訴える人のなかには、レントゲンやMRIを撮っても原因がわからない、というケースも。「年だからしかたない」と、湿布や注射でなんとかやり過ごしている人もいるでしょう。
実は、立ち方の改善がこうした悩みをラクにするカギだとはあまり知られていません。正しい立ち方、歩き方を実践すれば死ぬまで自分の足で歩けます。立ち方を変えれば、痛みがやわらぎます。動きを変えれば、疲れにくくなります。
1. きれいな姿勢は疲れる姿勢!猫背は無理に伸ばさない
「年取って、背中が丸くなってきたよ」「老けて見えるから背筋を伸ばして」こんな言葉は要注意です。無理に背中を伸ばした瞬間から要介護のカウントダウンが始まります。
「気をつけ」よりも「休め」の姿勢の方が理にかなった姿勢であることはほとんど知られていません。「気をつけ」をするとき、私たちは胸、背中、腰、脚にギュッと力を入れます。一方で「休め」の姿勢では、力が抜けてリラックスできているはずです。
力を使わずに立てるということはバランスがとれているということ。「気をつけ」より「休めの姿勢」が楽と聞けば、きっと多くの方が「そうだった!」と思うでしょう。
2. ひざ上げ10回で立ち方、歩き方が上手くなる
立つ時、歩き時に重要なのは、筋力より体の使い方です。しっかり体をコントロールできていないと、余分な筋力を使って体に知らず知らずのうちに無理をさせています。
体を上手く使うコツは「ひざ上げ」です。片足を上げるだけのシンプルな動きですが、初めて挑戦すると、皆さんが「できない!」「難しい!」と感じます。それは、体を正しくコントロールできていないからです。
3. 正しい姿勢を身につける、1日5分の立ち方ドリル
正しい姿勢を身につけるため、「肩甲骨伸ばし」「骨盤の前後運動」「ひざ上げ」「肩甲骨伸ばし×ひざ上げ」「いすスクワット」「かかとの上げ下ろし」「つま先の上げ下ろし」「その場足踏み」などの運動をしてみて下さい。シンプルな動きのなかに体に負担をかけない立ち方の要素が詰まっています。
はじめからできる人はごくわずかですが、練習を続けるうちに誰でも必ずできるようになります。さらに続けていけば、立ち仕事が楽になったり、疲れにくくなったり、腰痛などの体の痛みが軽減していくことも期待できます。
4. ムダな力を省いて100歳まで歩く
ふだん何も考えずに歩いている動作のなかにも、実はいくつかのテクニックが存在します。このテクニックの差が腰痛などの体の不調に繋がります。
たとえば、「膝は真っすぐに伸ばす」「かかとから地面につく」「膝とつま先を進行方向に向ける」など、どれもテクニックというほど難しいものではありません。意識ひとつですぐに変えられるものばかりです。しかし、このテクニックを知っているかどうか、意識しているかどうかの差は、年を重ねるほど大きくなります。
正しい歩き方で歩くことが、無理なく健康効果を受ける最大のポイントになります。
5. 毎日のメソッド
つらい階段や坂道の上りおり、ショッピングカートの使い方、正しい寝方や座り方など、毎日を快適に過ごすためには「体を意識すること」が大切です
100歳まで自分らしく楽しく暮らすためにの「動きのコツ」を実践しましょう。
そり腰で椎間板を圧迫し続け、胸を張ってひざに負荷をかけ続け、肩やひじを引いて肩こりを誘発……! 背骨の自然なS字カーブを無視した姿勢は、体のあちこちに負担をかけ続けるものです。
立ち方、歩き方を直せば、痛みがやわらぐ可能性があります。膝や腰を圧迫する姿勢から、背骨のS字を生かして重力を分散し、足裏全体で体重を支える姿勢へシフトしましょう。立ち方の改善には、薬も特別な器具もいりません。正しい姿勢で、痛まない体をとり戻しましょう。
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