南部タイ旅紀行 ~サトゥーン・ソンクラー・ナコンシータマラート~
2009年05月10日(日)
南部タイ旅紀行
サトゥーン・ソンクラー・ナコンシータマラート
今回サトゥーン県とソンクラー県に行ったことにより、この3年半でタイ76県のうちマレーシア国境の深南部3県(ヤラー・パッタニー・ナラティワート)を除いた73県を回ってきたことになります。この3県に行けなかったことは非常に心残りですが、近い将来タイ深南部に平和が戻って行けるようになることを切に願います。
旅程(2008年5月2日~2008年5月6日)
5月2日(土) | 15:35ホアランポーン駅発(快速夜行寝台列車2等冷房車) | |
5月3日(日) | 09:10 クワンニエン駅発 ⇒11:15 サトゥーン ⇒14:15 ハジャイ ⇒ 16:40 ソンクラー(泊) | |
5月4日(月) | 10:30 ソンクラー ⇒ 11:15 ヨー島 ⇒ 14:10 フアサイ(泊)ホアランポーン駅着(急行列車2等) | |
5月5日(火) | 08:25 フアサイ ⇒ 09:35 ナコンシータマラート 13:00 ナコンシータマラート駅発(快速夜行寝台列車2等冷房車) |
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5月6日(水) | 04:55 ホアランポーン駅着 ⇒ 05:00 タクシーで家経由会社へ | |
緊張感の増す南部旅行 サトゥーンからハジャイへ
初日の土曜日は出勤日だったため、会社を 2時半に早退してホアランポーン駅へ。道路がすいていたので列車の発車時間には余裕をもって間に合いました。最初の目的地クワンニエン(ハジャイの4つくらい手前の駅)まで1 9時間の道のりです。始めは本を読んでいましたが、することがなくなり、前の座席に座っていた男の子(名前はガイさん)と話し始めました。年は 14 才で中学3年生、ハジャイ在住でバンコクまで遊びに行った帰りだったそうです。いろいろ話をしましたがそのうち話題も尽き、少し早かったけれど7時半にはベッドメーキングをしてもらいました。
翌朝6時に目が覚めたとき列車はまだトゥンソンの付近、クワンニエンまでまだ3時間かかります。お腹がすいていたせいか、前日買っておいた焼き飯がとても美味しく感じました。9時頃やっとのことでクワンニエン駅に到着したのですが、外はあいにくの雨で旅の出鼻をくじかれました。駅前からソンテオで国道まで出て、サトゥーンに行く大型バスに乗り換えです。今回の旅行はサトゥーンにしてもハジャイにしてもタイ南部の危険地帯が近く、日本人が一人で行くには少々危険と言われていましたので多少緊張感を持っていました。1時間半のバスの旅は何事もなくサトゥーンに到着しましたが、バスターミナルは町のはずれのとても不便なところだった上に、かなりの雨が降っていたので、町の見物をあきらめそのまま折り返しのバスでハジャイに向かうことにしました。
ハジャイのバイクタクシー 40メートルの距離を40バーツ!?

巨大な寝仏・いかにも窮屈そう
サトゥーンからハジャイへは約2時間1 5分で到着。まずは寝仏で有名なワット・ハジャイナイに行くことにしました。バイクタクシーの運転手が知っていると言うので走り出しましたが着いてみると全然違うお寺… 運転手は間違えたといってまた走り出し、ようやく目的のお寺に… 辺りを見渡すとどこかで見たような風景… なんとワット・ハジャイナイはバイクタクシーに乗ったところから 40 メートルくらいのところにあったのです(笑)。でもしっかり 40 バーツを請求され、私の説明が悪かったんだなと反省しました。
さて気を取り直して… このお寺はハジャイで最大の寺院で、世界で3番目に大きいといわれる全長 35 m高さ1 5 mの寝仏プラプッタ・ハットモンコンがあります。しばらく見学した後バスターミナルからロットゥーでソンクラーへ移動です。
ソンクラーの町全体が見渡せるタンクワン山
ソンクラーへは1時間ほどで到着。まだ日があったのでタンクワン山に登ってみることにしました。サムローとロープウェーを使って山頂に行くと、日曜日ということもあって大変な人混みでした。ソンクラーは小さな町ですので山頂の展望台からほぼ町全体を見渡すことができます。

ソンクラーの市街地(タンクワン山頂)
待たせていたサムローに乗って、人魚像で有名なサミラービーチに行きました。人魚像の近くに猫と鼠の像がありましたが、サムローの運転手が言うには沖合いに猫島と鼠島があるのでそれをもじって作ったのだと説明してくれました。日も暮れてきたので宿探し、この日の宿は一泊400バーツでその名もソンクラー・ホテルです。
昔の様子を窺い知れる旧ソンクラー駅舎
翌日は5時半にホテルを出発、歩いて 20 〜 30 分のところにある魚市場に行きました。あじ、さより、すずき、たこなどに混ざって小型のサメまで! 新鮮な魚をたくさん見て、刺身にしたらさぞかし美味しいだろうな、と思いつつ魚市場を後にしました。続いて、 400年前に建てられたというワット・マチマワート寺院を訪れました。このお寺には大理石の仏像があるほか、タイ南部からの出土品を展示する博物館もあるのですが、残念ながらこの日は休館日でした…
次に、鉄道好きの私としてはぜひとも訪問したかったソンクラーの旧駅舎(廃駅)に行きました。駅舎は使わなくなって 20 年近く経っているそうですが、内部の待合室は古い椅子もそのままで、町の人々の憩いの場となっています。駅前は大きな市場になっていて、今でも駅が機能していたころの様子を伺うことができました。駅周辺で土に埋もれたレールや“SONGKHLA”と書かれた古い駅名表示板を発見、ここがかつてソンクラー駅であった証拠です。
ソンクラー湖に浮かぶ小さな島へ
続いて、中国様式と南部タイ様式が融合した独特のスタイルの壮大な外観を持つソンクラー国立博物館へ。ここは1 9世紀に土地の大富豪の私邸として建てられ、後に国立博物館となった由緒ある建物、が、なんとここも休館日。せっかく遠くから来たのでと守衛さんに掛け合いましたがダメでした。せめて話だけでも聞こうと守衛さん(ピチャイさん・ 44 才)と木陰で 30 分くらい話をしました。
博物館のすぐ南には高さ2メートル・長さ 50 メートル以上もあるレンガの壁があります。 1939年当時の統治者によって建設されたそうですが、その目的ははっきりとは分かっていません。レンガの壁を見学した後、ヨー島に行くことにしました。ヨー島はソンクラー湖に浮かぶ小さな島で、幾何学模様の錦織物コ・ヨー織りの生産地として知られています。ソンテウを降りると、たまたま目に入った山の上のお寺に無性に行きたくなりました。近くにいたバイクタクシーに交渉し、急勾配の坂をバイクから振り落とされそうになりながら上ること 20 分で頂上へ。景色の良さで圧倒されました。暑さも忘れてしばらく眺めていましたが、次の目的地もあるので山を降りてまたバスに乗り込みました。
ナコンシータマラートで 在タイ7年間のお礼
次の目的地はナコンシータマラートの近くフアサイです。ここは、タイ人でも知らないような土地で、特に有名なものがあるわけでもないのですが、名もない田舎の町に泊まってみるのも良いかと思い、行ってみることにしました。遅い昼食を取りながら食堂のおばちゃんにこの町の名所を聞いてみました。すると、トンサイというとても大きなご神木があるというので、またまたバイクタクシーに乗って出発。しかし距離を確認せずに乗ったのが失敗… 土手の砂利道を埃だらけになりながら 40 分、距離にすると片道約 25 ㎞もありました。川岸に佇む1本の大木は、確かにご神木というのにふさわしい立派なものでした。しばらくご神木を眺めた後、またバイクに乗って来た道戻りましたが、ゲストハウスを探し当てると夕食もそこそこに眠ってしまいました。
翌日はナコンシータマラートへ。南タイでもっとも篤い信仰のあるワット・プラマハターワット寺院を訪れました。私はもうすぐ日本に帰国しますが、タイに来てから7年間病気も怪我もせず、仕事も大過なくやってこられたこと、そして日本の家族も皆元気に過ごせたこと、いつも拝んでいる仏様のご利益と思い、このお寺で今までのご加護にお礼をしたかったのです。今回はしっかりタンブン(お賽銭)とお供え物も用意して参拝してきました。ナコンシータマラート駅を1 3時発の夜行列車に乗って、次の日の朝早くバンコクに戻ってきました。
「コンテンツ提供:D-Mark Magazine」 ref.同誌第18号掲載PDF版