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タイ中部旅紀行 ~ナコンナーヨック県クローンターダーン・ダム~

2009年04月19日(日)

タイ中部旅紀行

~ナコンナーヨック県クローンターダーン・ダム~

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 今回の旅、最大の目的地はナコンナーヨック県にあるクローンターダーン・ダムです。2日間をかけてプラチンブリー、ナコンナーヨック、サラブリー、アユタヤの4県を回って来ましたが、本当にハプニング続きの旅でした…

 

片道 26 バーツの激安列車でプラチンブリーへ

 ホアランポーン駅発の時刻表によると、プラチンブリーへの列車は早朝5時 55 分にを出発。アパートを4時半に出て、駅までは路線バスで向かおうとしましたが、バスがなかなか来なかったため急遽タクシーに変更しました。早朝の路線バスは間引き運転もあるためこのようなことはしばしばです。お陰で、早々と5時過ぎにはホアランポーン駅に到着。早速切符を買いました。プラチンブリーまで 135㎞もあるのですが、その料金は3等列車でなんと! 26 バーツ(約 70 円)です。JR の初乗り運賃でも通常150円はしますよね。

 この日はちょうど連休の初日だったため、ホームに出てみると人がいっぱい、お目当ての列車のところに行ってみると発車の1時間前というのにもう空席はなく、車内の通路にもたくさんの人が立っていました。仕方なく入り口のドア付近で立っていたところ、なんと発車直前になって座っていた人が席を譲ってくれました。4時間立って行くことを覚悟していたので本当に有り難かったです。

 

クローンターダーン・ダム堰堤からの絶景を堪能!

 途中駅からもどんどん人が乗ってきて、最終的にはまるで東京の朝のラッシュ状態になりましたが、なんとか午前 10 時にプラチンブリーに到着。朝食を取ってすぐにナコンナーヨックに向かい、バスターミナルに着くとタクシーをチャーター、 30 分ほどで今回の旅のお目当、クローンターダーン・ダムに到着しました。堰堤の全長は2 , 600mと想像以上に大きなダムです。

 

ダムの下からの放水で格好の水遊び場(左) 観光案内(タイ語)付の観光ミニバス(右)

ダムの下からの放水で格好の水遊び場(左) 観光案内(タイ語)付の観光ミニバス(右)

 

 このダムはプミポン国王が建設をご下命されたもので、発電用ではなく田畑の潅漑用に造られたものです。書物によると、ダムの堰堤はコンクリートのみで造られていて、この種のダムとしては“世界一”の規模だそうです。ダムからの放水により、そこに連なる川では沢山の人が水遊びをしていました。堰堤の上を走る観光ミニバス(人も普通の車も一切通行止めです)に乗ってみましたが、ダムの堰堤からの眺めはすばらしく、上から見るとその巨大さが実感できます。ただ、暑季(乾季)であったため貯水量が最低レベルで、ダムの底のほうにしか水がなかった事だけが残念でした。

 

夜のアユタヤ遺跡はライトアップで幻想的な姿に!

 この後の行く先は全く決めていなかったのですが、急に夜のアユタヤ遺跡を見てみようと思い立ちました。まずはサラブリーに向かい、列車でアユタヤへ…  と思ったのですが、サラブリー駅では1 5時 45 分発の列車が何と3 時間遅れ…  やむを得ずローカルの路線バスで行くことにしました。路線バスは途中いくつもの小さな町に立ち寄るため、結局2時間も掛かってしまい 18 時にアユタヤ到着です。

 

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闇夜にくっきり、幻想的な夜景(アユタヤ)

 当然、宿泊先の予約などしていないので、いつものようにバイクタクシーの溜まり場で運転手に聞き込み。少し高かったけれど、遺跡の中心部という好立地のゲストハウスに決めました。1泊450バーツです。もう1 9時を回っていたので、チェックインもそこそこに歩いて夜のアユタヤ遺跡見学に出かけました。まずはプラ・マハタート寺院へ。ここは 14 世紀末にラメスエン王によって建てられた寺院で、切り取られた仏像の頭が大木の根に囲まれている姿のある寺院として有名です。その後プラ・ラム寺院、プラ・モンコンポピット寺院と回り、最後にプラ・シーサンペット寺院へ、どの寺院も夜間照明でくっきりとその姿が浮かび上がり、昼間は何度も訪れたことのあったアユタヤ遺跡の夜の顔は初体験でとても幻想的でした。

 

チャオプラヤー川を渡るロープウェイに冷や冷や !?

 翌日は朝7時に宿を出て早朝のアユタヤ遺跡見学に。昨夜と同じルートを回り、昨夜は閉門後で入れなかった寺院内までじっくり観察できました。特にプラ・マハタート寺院の名物、仏様の頭が大木に囲まれた姿は何度見ても神秘的な感覚を覚えました。さらに 32 年前に初めてタイを訪れた時に来たロカヤ・スタ寺院(寝仏の寺)まで足を伸ばし、懐かしい思いで拝観しました。

 1時間半ほどで遺跡を後にしてアユタヤ駅に向かいました。バーンパインに寄り道しようと思ったのですが、列車は1時間半遅れとのことで、またもや列車をあきらめソンテオ(乗り合いバス)で行くこととしました。列車なら1 5分のところを1時間 20 分かけて到着。ここには王室のバーンパイン離宮があるので有名ですが、そのすぐ近くにあるニヴェート・タマプラワット寺院にはまだ一度も行ったことがなかったので立ち寄ってみる事にしました。

 

夜と違った顔を持つ昼の遺跡(左) 怖いけど結構楽しいロープウェー(右)

夜と違った顔を持つ昼の遺跡(左) 怖いけど結構楽しいロープウェー(右)

 

 この寺院へ行くには、離宮側にある無料ロープウェーでチャオプラヤー川を渡る必要があるのですが、乗っている時間は2〜3分ですがロープが切れそうで冷や冷やです(笑)。さて、ラマ5世によって建てられたこの寺院の外観はまるでゴシック風キリスト教会のよう。中に入ると窓や壁にはステンドグラスが入っていますが、正面中央の一段高いところに安置されている仏様を見つけ、「あー、ここはやっぱり寺院なんだな…」と思いました。

 

ハプニング続きの旅最後の最後に幸運が !?

 帰りの列車はまたまた1時間以上遅れるとのこと…  ここは意地でも列車で帰ろうと待つことにしました。炎天下のバーンパイン駅前で人の流れを眺めながら待つこと1時間、やっときた列車はすべて3等車でエアコンも扇風機もありません。バンコクまで1時間の辛抱と思い座っていると、デモの影響か今度はバンスー駅(バンコクの5つ手前の駅)で運転が打ち切りとなってしまいました。さらに、列車は待避線に入っていたため降りたところは線路上で、なんと前からディーゼル機関車が走ってくるではありませんか !? 慌てて停車中の列車にへばりついてディーゼル機関車をやり過ごし、なんとかホームにたどり着きました。

 今回は連休であったこととバンコク市内のデモの影響などもあり、通常はこれほど列車が遅れることはありませんのでご安心を。ハプニング続きの旅でしたが、最後の最後に一つだけ良いことがありました。それはバンスー駅からの地下鉄で、 60 歳以上の人は乗車賃無料だったことです。私も当然無料で乗りました。

 

「コンテンツ提供:D-Mark Magazine」 ref.同誌第22号掲載PDF版

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