ミャンマー国境メーソ-トへの旅 ~ピサヌローク・スコータイ・ターク~
2009年01月01日(木)
ミャンマー国境メーソ-トへの旅
ピサヌローク・スコータイ・ターク
2008年最後の旅となる今回の旅紀行は、ミャンマ一国境の町ターク県メーソートへの旅です。まず始めに今回の旅の日程について記載しておきましょう。
旅程(2008年12月4日~6日)
12月4日(木) | 21:25 | ホアランポーン駅発(夜行快速列車2等) |
12月5日(金) | 06:00 | ピサヌローク発 ⇒ 07:10 ピサヌローク発 ⇒ スコータイ ⇒ 09:40 ターク着(バス) |
10:30 | ターク発 ⇒ サムガオ(バス) ⇒ 12:30 プーミポン・ダム着(バイク) | |
14:30 | プーミポン・ダム発 ⇒ サムガオ(バイク) ⇒ 17:00 ターク着(バス) | |
17:40 | ターク発 ⇒ 19:40 メーソート着(ロットゥー)(泊) | |
12月6日(土) | 09:30 | ホテル発 ⇒ プラタート・ヒンキウ ⇒ ワット・タイワッタナラーム ⇒ ミヤンマ一国境 ⇒ メーソート市内(サームロー) |
21:15 | メーソート発 ⇒ 翌04:15 BKKモーチット着(VIPバス) | |
バンコクからプーミポン・ダムまでの道のり
今回の旅は祝日(12/5国王陛下御誕生日)を絡めた3連休で行ってきました。往きはホアランポーン駅から快速夜行列車、寝台は満席だったため2等座席を予約しました。当然クーラー付きで快適に行けると思っていたのですが、期待に反しノンエアコンの扇風機列車で、おまけに1車両に2等と3等が混在するタイプ(仕切りのドアはありません)だったため、ガヤガヤと話し声がうるさくあまり眠れませんでした。
早朝6時、ピサヌロークに着いてすぐにバイクタクシーでバスターミナルへ。幸いにして30分待ちでターク行きのバスに乗ることが出来ました。途中スコータイ遺跡の真ん中を走ったので、バスの中からその懐かしい姿を写真に撮りました。2時間半ほどでタークのバスターミナルに到着です。
まず最初の目的地はプーミポン・ダム。ズラリ並んだ切符売り場の窓口で一番やさしそうな女の人に行き方を尋ねると、ダム行きのバスは別の場所から出るとのことで、わざわざ外まで出てバイクタクシーを呼んでくれた上に、運転手に「30バーツで行くのですよ!」と交渉までしてくれました。ダム行きのバス停はバイクで7~8分行った市場の横にありました。出発まで50分くらいあったので早めに昼食を取った後、ミニ観光に出かけましたがターク市内にはそれほど見所もなかったので早々に引き上げました。
10時半出発のバスに乗り、ダムから流れてくる川沿いを走ること1時間半でサムガオという町に到着。ところがここでハプニング。同じバスに乗っていた女の子に「どこに行くの?」と聞かれたので「ダムに行きたい」と答えたら、「このバスはここから違う方向に行くのでここで降りなさい」とのこと。慌ててバスを降りましたが、周りは何もない寂しいところ…ちょうど守衛さんの詰め所があったので尋ねてみたところ、ここからダムまではバスもバイクタクシーも交通機関は何もないとのことでした。でもとても親切な守衛さんで近くにいた友達を呼んでくれ、オートバイでダムまで送ってもらえるようアレンジしてくれました。

バイクの運転手と(巨大なダムがかすんでいます)(左) 島の頂上左端に僅かにお寺が見えます(右)
ダムが一望できる素晴らしい景色
山道を進むこと20分でダムに到着。この日はプミポン国王陛下の御誕生日だったため多くの観光客が来ていました。それにしても巨大なダムです。早速ダムの堰堤に出て発電所がある下を見てみたら、物凄い高さで目がくらむ思いでした。ダムには沢山の島があるのですが、その中でも観光スポットとなっているお寺のある島に行くこととしました。時間がなかったのでやむを得ず観光船を一人でチャーター、料金は600バーツでした(定期観光船はもっと安いのですが…)。島には20分ほどで到着ですが、お寺のある頂上までは240段も階段を登らなくてはなりません…しかし頂上に着いて周りを見回すと、ダムが一望できるその素晴らしい景色で疲れも忘れてしまいました。しばらくお寺を見物したあと、帰りのバスの時間も気になりましたので早々に帰りの船に乗り込みました。
帰りはまたバイクに乗ってサムガオに戻り、バイクを運転をしてくれたアーティットさんと守衛のプラパートさんにお礼をいってバスに乗り込みました。帰りのバスは超オンボロだったのですが、エンジンが壊れてしまうのではないかと思うくらいのスピードで走ったため、17時にターク到着。早く着いたのでタークに泊まる予定を変更し、次の目的地メーソートまで行くことにしました。再度バスに乗り19時40分には今回の旅の目的地メーソートに到着です。夜も遅かったのですぐ宿を決め、夕食もそこそこに眠ってしまいました。
合計段数782段を制覇!

はるか彼方はミャンマーです
(プラタート・ヒンキウ)
翌日、ホテルの前に止まっていたサムローをチャーターして観光地のプラタート・ヒンキウに向いました。タークの町を20分も走ると辺り一面が田園風景で、車も人もあまり見かけません。1時間20分ほどでヒンキウに到着。入り口から山の上に向けて、またしても階段がずうーっと続いていましたが、上り口の両側の手すりには昇り竜が配置されており、私を元気付けてくれました。スタートは元気良く登り始めたのですが、50段も登るともう息切れが激しく小休止を…
以降50段登っては小休止の繰り返しです。途中に仏様が安置されている祠があったので、とりあえず無事登りきれるようお祈りしました。そして40分かけてやっとヒンキウの仏様の祭られている巨岩に到着です。ここまででなんと514段もありました。
さて、この仏様の祭られている巨岩ですが、良く見ると崖っぷちのところにピンポイントで乗っかって安定を保っているのです。よく今まで落ちないで来たものと感心しました。仏様に祈りを捧げた後、周りを見回すとその景色のすばらしさに圧倒されました。近くを流れる川の向こうがミャンマーで、遠くにミャンマーの山並みを望むことが出来ます。この絶景には疲れも吹き飛ぶ思いがしました。ところが一緒に登ってくれたサムローの運転手はまだ上があるので登ろうと言います。そう言われると登らないのも癪なので登りましたが、頂上には記念碑があるだけでした。結局階段の総計は782段もありました。
ミャンマー国境の町メーソート
ヒンキウを後にした帰り道、珍しいお寺があるというので立ち寄ることにしました。お寺の名前はワット・タイワッタナラームといい、ビルマ(現ミャンマー)の影響を色濃く受けたお寺でした。お寺のデザインはタイの寺院とはまったく違ったもので、メーソートがミャンマーと隣合わせの町ということを強く実感しました。このお寺には巨大な釈迦の涅槃像があるほか、この地で有名だった高僧の遺体が現在も保存されていることでも有名です。また、本堂の中には天国を模したセットがあって、その周りをコンベアーに乗った釈迦が4人の弟子をつれて托鉢して回っているなどといった珍しいものもありました。
最後に、タイ・ミャンマー国境のイミグレーションに立ち寄ってきました。ここメーソートはタイ・ミャンマー間の数少ない開かれた国境の一つです。イミグレーションの建物は、以前北部タイのメーサイ(同じくミャン マー国境の町)に行ったとき立ち寄ったイミグレーションの建物と良く似ていました。現在ミャンマーの経済状況はあまりよくないので、出稼ぎのためのミャンマー人越境者が非常に多いとのことです。帰りにメーソートのバスターミナルの近くで交通検問が行われていているのを見ましたが、ミャンマー人とおぼしき人達が20人くらい道路脇に拘束されていました。また、メーソートからバンコクに帰るバスでは、町を出てすぐのところで警察の検問に遭遇し、タイに来て初めて警察官からパスポートの提示を求められました。
帰りは夜行VIPバスに乗りましたが、初体験の横3列のデラックス・バスは乗り心地は満点。途中ナコンサワンでのトイレ休憩以外はぐっすりと眠ることができ、爽快な気分でバンコクに戻ってきました。

タイの男前の仏様(一般の仏様とは顔立ちが大分違う)(左) タイ国境(タイ側)のイミグレーション(右)
「コンテンツ提供:D-Mark Magazine」 ref.同誌第14号掲載PDF版