イサーン(東北タイ)旅紀行(2) ~ウボンラーチャターニー・サコンナコン・スリン~
2008年09月01日(月)
イサーン(東北タイ)旅紀行(2)
ウボンラーチャターニー・サコンナコン・スリン
前回に引き続き、再度「東北タイ」を巡つてきたのでお伝えします。今回は訪れたことのある都市ばかりでしたので、出来るだけ通ったことのないルートを選定しました。まず日程とルートについて概要を記載します。
旅程(2008年8月09日~12日)
8月9日(土) | 18:55 | ホアランポーン(バンコク中央)駅発(快速寝台列車2等車扇風機のみ) ⇒ |
翌 06:15 ウボンラーチャターニー駅着 | ||
8月10日(日) | 08:00 | ウボンラーチャターニー発 ⇒ 11:00 ケマラート ⇒ |
13:00 | ムクダハーン ⇒ 14:15 タートパノム ⇒ | |
17:45 | サコンナコン着(パス)(泊) | |
8月11日(月) | 08:40 | サコンナコン発 ⇒ 11:30 カーラシン ⇒ |
13:00 | ローイエット ⇒ 17:00 スリン ⇒ | |
18:20 | プラサート着(バス)(泊) | |
8月l2日(火) | 09:00 | プラサート発 ⇒ (サラプリー経由) ⇒ |
16:30 | バンコク(モーチット)着 | |
「扇風機2等寝台」でウボンラーチャターニーへ
出発日の日は土曜出勤だったのですが、17時ちょうどに会社を出て渋滞を避けるためにシリキット駅から地下鉄でホアランポーン駅まで。なんとか18時55分発の列車に乗ることができました。切符は1週間前に購入したのですが、ちょうど連休だったせいか「冷房2等寝台」は満席、やむなく「扇風機2等寝台」で汗をかきかきの就寝です。
翌朝6時半ウボンラーチャターニー駅に到着、その足ですぐバスターミナルへ。ここでケマラート行きのバス探しです。近くにいた職員に聞くと、バスは1時間に1本程度しかないとのことで40分以上の待ち時間…この間に朝食を取りました。
8時丁度にウボンを出発、それからケマラートを経由して3時間掛けてムクダハーンに到着です。ムクダハーンはメコン川に架かる「第二友好橋」が有名ですが、今回は先を急ぐことにしてすぐにタートパノム行きのバスに乗りました。
プラタートパノム寺院の美しい仏塔
タートパノムには以前も訪れたことがあったのですが、プラタートパノム寺院内にある仏塔は今回どうしてももう一度見たいと思っていました。タートパノムには14時15分に到着、次の目的地サコンナコン行きのバスが15時丁度だったので、ちょっと無理がありましたが急いで見学に出かけました。ほぼ1年ぶりの訪問でしたが、やはり目の当たりにする仏塔は期待していた通り立派で神々しさを感じました。この仏塔は今から約1500年前に建てられたものといわれ、高さは57m、ラオス様式の装飾が施され、10㎏の金が使用されています。また、この仏塔はタイ東北部で最も篤い信仰の対象となっていて、タイ各地から参拝の人達が大勢訪れていました。まだまだじっくり見たいところでしたが、時間の都合もあるため、また訪れることを心に誓いここを後にしました。

プラタートパノムの美しい姿の仏塔(左) 極彩色に彩られたプラタートパノム寺院(右)
タイ人選手金メダルの瞬間を観戦

雨季のメコン川(水面が岸スレスレに)
帰り道、サムローに乗って近くのメコン川を見に行きましたが、丁度雨季で水が川幅いっぱいに流れていて、水面は岸すれすれのところにありました。ここは昔ラオスへの交通(渡し船)の要所で、今でもイミグレーションの建物があります。毎週月曜と木曜には市が立って、ラオスからの人々で大混雑するとのことです。
再びサムローでバスターミナルまで戻りましたが、なんとここでサコンナコン行きのバスに乗り遅れてしまったのです。次のバスまで1時間半待たなくてはならず、おまけに雨まで降り出して町の観光にも出られなくなりました。仕方なく待合所のテレビを見ていたら、丁度オリンピックの女子重量挙げ決勝戦をやっていました。タイと韓国の選手が決勝の試技をやっているところで、結果タイの選手(プラパーワディー選手:ニックネームは“ゲーエ”でタイ人は親しみを込めて“ノーン・ゲーエ”と呼びます)が金メダルを獲得しました。始めは何となく見ていましたが、最後の方は何としても“ノーン・ゲーエ”に優勝してもらいたいと懸命に応援していました。もし先ほどのバスに間に合っていたら、この金メダルの瞬間を見ることが出来なかったわけで、これはプラタートパノムで仏様を拝んだご利益と思いました。丁度テレビを見終わったところでバスが来ましたが、これまた超満員で車内の通路にまでびっしり人が立っていました。サコンナコンまで1時間立って行くことを覚悟しましたが、若い男の人が私の顔を見て席を譲ってくれました。自分では見た目若いと思っていましたが、他人が見ると歳をとって見えるのかな、と思いながらもありがたく座らせてもらいました。
ナイトバザールにカエルの姿焼き!

カエルの姿焼き、皆さんは食べられますか
夕方6時前に最初の宿泊地サコンナコンに到着。今回は3連休で混雑が予想されたので、念のため以前泊まったことのあるホテルを前もって予約しておきました。ホテルの真ん前がナイトバザールで、焼きガエル(カエル2匹を櫛にさして丸ごと焼いたもの)や佃煮(といってもイナゴ、タガメ、蜂の子、サソリなどゲテモノです)などが沢山ありました。ナイトバザールは地方のどこに行っても人出は多く、また値段も安いためタイ人も良く買い物をするようです。この日は9時間近くバスに乗ったのでお腹もぺこぺこ、ホテルに戻ってレストランで豪華(?)に遅い夕食をとりました。
長距離バスを乗り継ぎスリンまで
そして翌日、この日もまたバスに長時間揺られる旅になります。朝食後7時にホテルを出てサコンナコンのバスターミナルに。スリンまでの直通バスがなく、仕方なくまず隣の県のカーラシンまで行くことにしました。プーパン国立公園に沿って山道を進むため、自然が多く残るすばらしい景色を十分堪能することが出来ました。カーラシンでバスを乗り換え、さらに隣の県のローイエットまで進み、またまたバスを乗り継いで田んぼの広がる田舎の道を走ること3時間、やっとのことでスリンに到着。
時間はすでに17時、日も暮れてきた上に雨も降っていましたが、翌日は遺跡を見た後バンコクまで帰らなくてはならなかったので、今日のうちに少しでも先に進んでおこうと遺跡のあるプラサートまで行くことにしました。丁度その方面に行くロットゥー(ワンボックス乗合自動車)がいたのでとにかく乗り込むと、1時間ほど走って大きな町に。乗客がぞろぞろ降りたので、意を決して運転手に聞いたところ「ここがプラサートだよ」といわれ一安心…この町唯一のホテルを探し当てて夕食もそこそこに寝てしまいました。
時代を感じるバーン・プルアン遺跡
最終日は今回のお目当ての遺跡見学、早朝からバイクタクシーに乗って遺跡に向かいました。場所は町から4〜5㎞のところ、遺跡の名前はプラサート・バーン・プルアン。ここは辺鄙なところにあるため普段でもあまり訪れる人もいないとのこと。ただ遺跡には繊細な彫刻が施されており、規模は小さいですが、静かな佇まいと落ち着いた雰囲気で時代を感じさせるものがありました。
その後プラサートのバスターミナルから長距離バスに乗り込み、7時間掛けてバンコクに帰ってきました。その後の東北タイは雨が多く、メコン川の水位が異常に上昇しています。テレビで今回行ったタートパノムが映りましたが、私が写真を撮った川岸は、人々が水の中をジャブジャブ歩くほど冠水していました。私が行ったのはその一週間前でしたのでラッキーでした。

静かなたたずまいのバーン・プルアン遺跡(左) 遺跡横の堀に咲く可憐なハスの花(右)
「コンテンツ提供:D-Mark Magazine」 ref.同誌第10号掲載PDF版