タイ・イサーン(東北)地方旅紀行~イサーン縦断500kmバスの旅~
2008年03月01日(土)
タイ・イサーン(東北)地方旅紀行~イサーン縦断500kmバスの旅~
以前イサーン地方横断の旅をしたことがありましたが、今回はイサーン南部のウボンラーチャターニーからイサーン北部のウドンターニーまでの約500kmを、2日間かけてバスで旅してきました。今回の旅程は下記の通りです。
1日目 | 18:55 ホアランポーン駅発 (夜行快速列車) |
2日目 | 06:15 ウボンラーチャターニー駅着、08:00 ウボン発 ⇒ 10:30 アムナートチャルーン ⇒ 12:30 ヤソートーン ⇒ 13:50 ローイエット ⇒ 16:00 カーラシン ⇒ 18:00 サコンナコーン着 (泊) |
3日目 | 09:30 サコンナコーン発 ⇒ 12:40 バーンチエン着、14:10 バーンチエン発 ⇒ 15:20 ウドンターニー着、18:40 ウドンターニー駅発 (夜行急行列車) |
4日目 | 05:00 ホアランポーン駅着 |
バスターミナルでの乗り換えは要注意!?

タイ国鉄東線の終点ウボンラーチャターニー

人っ子一人いないアムナートチャルーンのバスターミナル
今回はタイの祝日に休暇を付けて行ってきました。今回の旅の目的は、まだ行ったことのないアムナートチャルーン県、カーラシン県、サコンナコーン県の3県に行くことと、ウドンターニー県にある世界遺産バーンチエン遺跡に行くことです。余談ですが、深南部の危険地帯を除いてタイ国鉄全線を乗ったいま、次の目標はタイ76県全てに行く事なんです。まずは夜行列車でイサーン縦断バスの旅スタート地点のウボンラーチャターニーへ。いよいよここからはバスの旅となります。
最初の訪問地は隣のアムナートチャルーンです。ここには見るべきものはほとんどないため、すぐバスを乗り換え次の訪問地ヤソートーン、ローイエット、カーラシン、サコンナコーンへと向かいました。今回は訪問地を結ぶ直通バスがなかったため、それぞれのバスターミナルでいちいち乗り換えなくてはならず大変でした。バスターミナルには行き先ごとの何本ものプラットホームがあって、まず目的地へ行くバスがどのプラットホームに着くのか、何時にバスが来るのか、私には皆目分からないのです。表示はタイ語のみなので近くにいる人や駅員風の人に聞いて確認を取ります。さらに乗ってからも車掌や運転手に、目的地に着いたら教えてくれるよう依頼をします。とにかく降りるまで心配で心配で仕方がありません。努力の甲斐もあってか今回は一度も間違ったバスに乗ったり、間違ったところで降りたりはしませんでした。
地方の旅で初めての朝食付きホテルに宿泊!

崇高な感じのチェディ
1日目の最終目的地はサコンナコーンですが、その約15㎞手前にプーパン国立公園の前を通りました。すでに夕方で薄暗かったためはっきりとは見えませんでしたが、入り口のお花畑がとても綺麗で印象的でした。タイには国立公園が沢山ありますが、次の機会にここをぜひ訪れたいと思います。
サコンナコーンに到着後は、また例によっていつものホテル探しです。足に頼って30分くらい探しましたがどうしても良いホテルが見つかりません。たまたま近くにいた警官に安くて良いホテルがないか聞いたところ、この近くのM.J.ホテルが良いと教えてくれました。1泊630バーツとちょっと高かったですが、もう疲れきっていたのでここに決めました。しかし、高いだけあって部屋はきれいでとても広く(16畳くらい)、朝食も付いていました。今までに泊った地方の安ホテルで朝食付は初めてでしたが、たまには良いホテルもいいなと思いました。ひとまず部屋に入りシャワーを浴びてから食事をしに外へ出てみると、ホテルの目の前がナイトマーケットになっていたので、そこで簡単な食事を済ませました。まだ8時過ぎでしたが早めに切り上げホテルに戻り就寝しました。
タイ人の親切さに触れて益々タイが大好きに…

ワット・プラタートチューンチュムの本堂建屋

お祈りの後本堂内の仏様と記念撮影
2日目は6時起床、早めの朝食をとり市内観光へ行くことにしました。ここではいくつかの観光地を回る予定だったので、バイクタクシーを簡単なガイド料込み300バーツでチャーターしました。最初の目的地は、ワット・プラタートチューンチュム。境内に入ってまず目に付いたのが寺院の中央にそびえ立つ高さ25mのクメール様式のチェディで、非常に質素で落ち着いた雰囲気を持ったものでした。この寺院は、サコンナコーンで一番神聖な寺院として町の人たちから崇拝されています。本堂は小さいながらもバンコクのワット・プラケオと同じような熱帯極彩色が施されていて、中央に大きな金色の仏様が安置されています。バイクタクシーの運転手と一緒に2人揃って敬虔な祈りをささげました。
続いて、町の東に広がる広さ32㎞の自然湖、ノン・ハン湖へ。湖畔は綺麗な公園として整備され市民の憩いの場として親しまれています。美しい湖面を吹き抜ける涼しい風が心地良く感じ、岸辺のやしの木陰に入るといかにも爽快な感じになれました。ガイドブックには、この湖に伝わる“伝説”が書かれているので一読してみると面白いです。もっとのんびりしたかったのですが次の目的地へ移動するためバスターミナルへ向かいました。
次はいよいよ世界遺産のバーンチエン遺跡です。バーンチエンは国道から分岐して10㎞ほど入ったところにある小さな村、何というバス停で降りるのかが分からなかったのですが、窓口で聞いてみると親切に乗るバスまで教えてくれました。さらにそのバスの運転手に、そのバス停に付いたら知らせるよう頼んでくれました。皆すごく親切にしてくれ、タイが益々好きになりました。
世界最古の青銅器が出土バーンチエン遺跡
バスに揺られること3時間、ようやく車掌さんが「次で降りるんだよ」と教えてくれました。降りるとすぐ目の前に止まっていたサムローが、バーンチエンまで往復100バーツで行くというので、そのままの言い値で乗りました。長閑な田園風景の中、約20分で到着です。バーンチエン遺跡では、紀元前7世紀から5世紀のものといわれる土器や鉄器が大量に出土しており、ひとつの文明があった場所だと推測されています。特にここで発見された青銅器が世界最古のものである可能性もあり、考古学的に注目を浴びています。出土品は遺跡内にあるバーンチエン国立博物館に収蔵されています。学術上重要な収蔵物があるここの博物館は、展示方法も立体的で分かりやすく、パネルや模型を使って往時の生活様式や青銅器の製造方法さらには発掘時の様子などを分かりやすく説明していました。

湖のほとりの休憩所をバックに

歴史的価値のある青銅器・鉄器の品々
帰りはまたサムローに乗って国道まで出て、そこからバスに乗ってウドンターニーに向かいました。帰りの列車まで時間があったので、町の中心部にあるという銅像、噴水、時計塔の3つのロータリーや、市民の憩いの場所ノンブラジャック公園など、町の中を少しぶらついて時間をつぶしました。今回の旅は、駆け足ではありましたがまだ行ったことのなかった3県を訪れる事ができて良かったです。また駅に戻り夜行列車で無事にバンコクに戻りました。
「コンテンツ提供:D-Mark Magazine」 ref.同誌第24号掲載PDF版