南タイ旅紀行 ~アンダマン海沿岸1,750kmバスの旅~
2008年02月01日(金)
南タイ旅紀行
~アンダマン海沿岸1,750kmバスの旅~
今回は南タイの中でもチュムポーン、ラノーン、パンガー、クラビー、トランというアンダマン海(インド洋)側に位置する各県を回ってきました。移動距離約1,750kmの南タイ縦断バスの旅です。 今回の旅程は下記の通りです。
旅程(2008年1月18日~21日)
1日目 | 22:50 | ホアランポーン駅発 (夜行急行列車 車中泊) |
2日目 | 05:42 | チュムポーン駅着 ⇒ 07:00 チュムポーン発 ⇒ 08:50 ラノーン着 ⇒ 14:00 タクワパー ⇒ 14:50 パンガー ⇒ 17:20 クラビー着 (泊) |
3日目 | 08:45 | クラビー発 ⇒ 10:30 フワイヨート着 ⇒ 14:03 フワイヨート駅発 (夜行寝台快速列車) (車中泊) |
4日目 | 06:30 | バーンスー駅 (バンコク) 着 |
チュムポーン行きの夜行列車

乗降客で賑わう早朝のチュムポーン駅
南タイ縦断バスの旅と言っても、まずバンコクからチュムポーンまでは夜行急行列車で行きます。いつもの旅ではたいてい会社が終わってからぎりぎりで列車に飛び乗るケースが多いのですが、今回の列車は夜遅くの発車でしたので、一度家に帰ってシャワーを浴び食事をしてからゆとりある出発となりました。今回バンコクのホアランポーン駅から乗車した列車には寝台車が付いていなかったため、通常の座席となりました。しかも、リクライニングの椅子が故障のため背もたれは倒れませんでした。とはいえ実際は、結構良く眠ることができたのですが…
最初の目的地チュムポーン駅に到着するのは早朝5時半過ぎ。外はまだ真っ暗だったのですが、たまたま隣に座っていたタイ人が同じ駅で降りるとのことで一緒に下車し、無事旅の第一歩を踏み出すことができました。チュムポーンに降り立つや否や、まずは次の目的地ラノーン行きのバス探しです。バス停はすぐに見つかったのですが、この日は土曜日だったため乗り合いバスではなく、マイクロバスのみのようでした。とにかく切符を買って足を確保しました。
パンガー独特の奇岩奇石

南国らしい景色ですね
既に空が明るくなりきった朝7時頃、ラノーンに向けて出発です。ラノーンまでの道のりはミャンマーとの国境沿いを走るため、至る所でタイの兵士が検問をしていて、その姿を見ると国境付近にいるという実感が湧いてきました。2時間弱でラノーンに到着しましたが、ラノーンでは特に見るものなかったため、約1時間の休憩の後またバスに乗ってパンガーに向かいました。
ラノーンからパンガーまでは約200㎞の道のりですが、途中の景色は森・山・田んぼの繰り返しで、期待していた海はほとんど見えませんでした…。時間があれば途中海岸沿いにカオラックやカオラムピーといった数々の国立公園があるので立ち寄りたかったのですが、残念ながら今回は時間の都合上パスしました。4時間半ほどバスにゆられていよいよパンガーに到着です。パンガーはご存知の方も多いと思いますが、奇岩奇石で有名なところです。バスを降りるとすぐに面白い顔をした山々が目に入りました。パンガーは見所が多いのでここで1泊するつもりだったのですが、実際目の当たりにすると町の近くでは景勝の地もあまりなく、泊まりは次の目的地クラビーに変更することにしました。
クラビーのナイトマーケット
結局パンガーでの滞在時間は約1時間、景色を見るだけとなりました。午後3時前にはまたバスに乗ってクラビーに向かいましたが、この道のりも車中からは珍しい形の山や岩が次から次に姿を現し目を楽しませてくれました。実は以前にもパンガーに来たことがあったのですが、そのときは船に乗ってパンガーの海をクルージングしました。パンガーの湾内には大小様々な島が150余も散在しており、その中には映画「007/黄金銃を持つ男」の撮影にも使われて有名になった「ピンカン島」など珍しい形をした島や洞穴が沢山あります。また、パンガーの町から車で10分ほど行ったところにスワンクーハ洞窟という自然の洞窟を利用した寺院があります。洞窟内は鍾乳石に覆われていて、そこに寝仏をはじめいくつもの仏像が置かれています。先ほどパンガーには見所が多いと言ったのはそういうわけだったんですが、今回は残念ながらパスです…。さて、バスはパンガーから約2時間半でクラビーに到着です。

この辺はこういう形をした岩山が沢山あります(左) クラビー川に面した港(外洋に通じている)

クラビーの一寸変わった信号機
ここクラビーで1泊することにしたので、まずはバスターミナル付近でホテル探しです。しかし近くにはホテルが全くなく、仕方ないのでバイクタクシーで20分ほど走った町の中心部に宿をとりました。一泊400バーツでしたが、テレビは映らない、エアコンはない、洗面所の水が止まらない…、今まで泊まったホテルの中では最低ランクでした。ただこのホテルの場所は港のすぐ近くということもあり、夜遅くまで夜店がたくさん出て賑わっていたので結構楽しめました。考えてみるとこの日は朝7時から夕方5時まで、休憩を挟んでいるとはいえバスに約8時間も揺られていたことになり、相当疲れていたのか10時には眠ってしまいました。
帰りの列車での大誤算!?
翌朝は6時に起きてすぐ近くの港を見に行きました。昨晩、うす暗い中に見えた船着場はてっきり海にあるものとばかり思っていたら、朝になって見てみるとそこは海ではなく川でした。ここからピーピー島行きの船が出ているとのことでした。最終日のこの日は2時過ぎにフワイヨートからバンスー(バンコク)行きの列車に乗らなくてはならなかったので、クラビーのバスターミナルを9時前に出発するバスに乗り込みました。

田舎の駅「フワイヨート」のたたずまい
フワイヨートには10時半に到着。特に見るものはなかったのですが、約3時間半町の中をぶらついて時間をつぶしました。ここでもいつものように国鉄フワイヨート駅舎の記念撮影をしました。時間になったのでフワイヨート駅に戻り、バンスー行きの列車は定刻通りに出発しました。がしかし、最後にひとつ誤算がありました。途中スラータニー付近で列車故障のため1時間20分停車し、バンコク到着が朝の7時近くになってしまったのです。その日は仕方なく、バンスー駅から直接会社に出勤となり…、楽しかったとはいえ最後でどっと疲れの出た旅となりました。
「コンテンツ提供:D-Mark Magazine」 ref.同誌第26号掲載PDF版