タイ北旅紀行 ~タイ国鉄でサワンカロークへの旅~
2007年11月01日(木)
タイ北旅紀行
タイ国鉄でサワンカロークへの旅
今回の旅は3連休を利用して行ってきましたが、混雑を見越して列車の切符は前もって予約購入しておきました。今回の鉄道の旅で、最南部を除いたタイ国鉄全線に乗車したことになります!
旅程(2007年10月20日~23日)
1日目 | 19:20 | ホアランポーン駅発 (夜行特急列車) |
2日目 | 07:40 | チェンマイ駅着 ⇒ 09:20 チェンマイ駅発 ⇒ 15:37 バーンダーラー駅着 (普通列車) ⇒ 17:10 バーンダーラー駅発 ⇒ 18:00 サワンカローク駅着 (特急列車) (泊) |
3日目 | シーサッチャナーライ国立公園見学 ⇒ 19:40 サワンカローク駅発 ⇒ 20:34 ピチャイ駅着 (特急列車) ⇒ 20:56 ピチャイ駅発 (夜行寝台快速列車) | |
4日目 | 05:10 | ホアランポーン駅着 |
出発からハプニング続きの旅
初日の土曜日は出勤日だったため、夕方6時頃会社を出発。しかし途中で大渋滞に巻き込まれ、このままでは間に合わないと思い、急遽バイクタクシーに乗り換えて最寄りの駅まで行き、そこから地下鉄でホアランポーン駅まで、列車出発15分前のギリギリで間に合いました。何とか列車に乗り込むと、今度はリクライニング座席の調節が利かず、開閉式のテーブルも故障中で紐でくくって固定されていました。どうやら、古いガタガタの車両に当たってしまったようです…。いきなりハプニング続きでしたが、列車内ではお弁当とケーキとコーヒーの軽食が2回も出てくるというサービス満点で気を持ち直しました。結局、疲れていたせいもあってリクライニングなど関係なく、知らず知らずに眠ってしまいましたが(笑)。
夜行列車の清々しい目覚め
翌朝チェンマイ近くのランプーンあたりで目が覚めましたが、山の景色が綺麗で何だかとても清々しく感じました。チェンマイ駅には予定より15分遅れで到着、タイ国鉄ではこのくらいは遅れのうちには入りません。そもそも今回の旅は、このチェンマイ行きの列車に乗ることが目的であったため、チェンマイでの滞在期間はごくわずか。朝食もそこそこに小さなお寺を1ヵ所訪れて例によって旅の安全を祈願しました。

歴史を感じさせるワットプラシン(経蔵)
ちょうどこの旅の5日程前に仕事でチェンマイ出張の機会がありました。せっかくのチェンマイなのにご紹介する情報が少ないのは残念なので、出張の空き時間を使って行った、チェンマイで最大規模の寺院ワット・プラシンの写真も載せておきます。壮麗な金塗りの本堂(あいにく改装工事中でシートがかぶせられていたため、立派な造りを拝めませんでした)の横に建っている、見るからに古そうな経蔵の写真です。1345年にプラチャオ・バユー王により建立されたものと言われ、寺院内にはスリランカで作られたという3体の青銅像プラシン仏像が安置されています。現在はタイ北部で最も神聖な仏様として、多くの人々の崇拝を受けています。
タイの”小便小僧”を発見!?

日本とは趣きを異にする小便小僧
さて、チェンマイから帰りの鈍行列車に乗って次の目的地へ。ランパーンを越えたあたりからは山あり谷ありの素晴らしい景色の連続です。今までの旅の中で初めてのトンネルを3ヶ所も通過しました。サワンカロークへ行くには、ウタラディット県のバーンダーラー駅で乗り換えのため途中下車です。1時間半ほど待ち時間で駅周辺を散歩してみましたが、田舎の駅で何もありませんでした。駅に戻ってベンチに座り何気なくホームの片隅を見てみると、何と日本でもお馴染みの”小便小僧”があるではありませんか!タイと日本ではどちらが先かは知りませんが、”小便小僧”は世界各地に浸透しているんですね…。
そうこうしているうちにサワンカローク行きの列車が来たので乗り込みました。バーンダーラーからサワンカロークへの列車は、チェンマイへ行く本線から分岐した支線を進むため、往路では通っていない路線になります。サワンカロークへの目的は、この支線を走る列車に乗る事と、シーサッチャナーライ国立公園です。到着後、先にバーンダーラー駅の駅員に聞き込みをしておいたホテル(350バーツ/泊)で宿を取ることにしました。
シーサッチャナーライ国立公園で二度目の間違い!?

昔のたたずまいシーサッチャナーライ遺跡
翌日はいよいよシーサッチャナーライ国立公園です。ホテルの従業員に車をチャーターしてもらったのですが、誤解があってシーサッチャナーライ遺跡に行ってしまいました。せっかく来たのでひと通り見て回り、一度ホテルに戻って再度車を手配。公園は山間部にあるため大きい車でないと行けないとのことで、結局1,200バーツのピックアップ車をチャーターすることになってしまいました。
実は以前にも来たことがあったのですが、前回は逆に遺跡に行こうとして間違えて国立公園に来てしまったんです。つまり2回連続で間違えたわけです…。でもこのときは入り口で引き返したので、国立公園の中に入るのは今回が初めてです。車手配のゴタゴタで出発が12時半を回ってしまい、滞在時間はかなり限られてしまいますがとにかく再出発です。出掛けにホテルの従業員2人とその子供と旦那(運転手)が一緒に行きたいと言うので、ちょうど車も大きかったし皆で行くことにしました。
大きな吊り橋でスリル満点
車中は5人でワイワイと話をしながら走る事2時間半。運転手の予想以上に時間が掛かってしまったので、帰りの列車の時間を考えると滞在時間はわずか30分しかありません。早速、入り口の事務所で5人分の入園料110バーツを払って中へ。この公園には滝が沢山あるのですが、たった1ヵ所しか見られず、みんなもまだまだ他にいろいろ見て回りたかったのですが、再訪を心に誓い公園を後にしました。
サワンカロークへ戻り、列車の発車までしばらく町の中をぶらついてみました。町の中心を流れるヨム川という大きな川に、今にも切れそうな大きな吊り橋が掛かっていました。恐る恐る渡ってみましたが、所々横桟の木が抜けていて遥か下方に水面が見えるのはスリル満点。しかも驚いたことに、この吊り橋をサムローが走って来ました。通過するときに橋が大きく上下に揺れ、本当に切れるのではないかと思ってゾッとしました。

サムローも通るスリル満点の古い吊り橋(左) 小さな小さな滝をバックに皆で記念撮影(右)
最後に屋台の集まっているところで夕食を取りました。ラーメンに焼き鳥、ホットケーキ、果物など、お腹いっぱい食べて65バーツ、タイも田舎に来るとめちゃくちゃ安いです。腹ごしらえをしたところで列車に乗り込みサワンカロークを後にしました。途中で寝台列車に乗り換えて、楽しかった旅を夢の中で思い出しながらバンコクに戻って来ました。
「コンテンツ提供:D-Mark Magazine」 ref.同誌第28号掲載PDF版