タイ南部旅紀行 ~ナコンシータマラート、パッタルン、トランへの旅~
2007年09月01日(土)
タイ南部旅紀行
ナコンシータマラート、パッタルン、トランへの旅
今回の旅は日曜日とその翌日の振り替え休日を利用して移動距離なんと1900km。早朝帰宅後そのまま仕事へという強行スケジュールです。旅紀行の日程は以下の通りです。
旅程(2007年8月11日~14日)
1日目 | 19:30 | ホアランポーン駅発 (夜行寝台急行列車) |
2日目 | 11:00 | ナコンシータマラート駅着 ⇒ 14:20 ナコンシータマラート駅発 ⇒ 17:40 パッタルン駅着 (普通列車) ⇒ 17:55 パッタルン バスセンタ発 ⇒ 19:00 トラン バスセンタ着 (バス) |
3日目 | 09:00 | トラン発 ⇒ 09:30 ガンタン着 (乗り合いタクシー) ⇒ 12:40 ガンタン駅発 (夜行寝台快速列車) |
4日目 | 05:30 | ホアランポーン駅着 |
ナコンシータマラートで旅の安全と健康を祈念

残念ながら修理中でした(パゴダ)
初日の夜行列車は連休だったせいもあり超満員。3週間前に切符を予約したにも関わらず、2段ベッドの下段が既に満席で、仕方なく上段を予約しました。夜9時くらいからベッドメーキングが始まりましたが、外の景色も見えずやることもなかったのですぐ寝てしまいました。翌朝スラータニーのあたりで目が覚め、途中外の景色を楽しみながら11時頃ナコンシータマラートに到着です。
朝食も食べていなかったのでまずは駅前の屋台で腹ごしらえをしてからここで一番大きい寺ワット・プラタートに出かけました。駅からバイクタクシーで15分くらいのところにありましたが、丁度この日はお寺の縁日だったようで沢山の屋台と大勢の人出で賑わっていました。このお寺はナコンシータマラートで最も大きく、また人々からも尊敬されているとのことで、本堂入り口にはずらっと行列ができており、参拝するのも一苦労でした。それでもまずは旅の安全と健康を祈念するためにと、お供え物を購入して本堂内の仏様へ敬虔な祈りをささげました。
参拝のあと境内をぐるっとまわって見ると、背の高い形の綺麗なパゴダ(仏塔)がありましたが、残念ながら修理中のため足場が組まれていて本当の姿が見られませんでした。お寺を出てぶらぶら駅に向かって歩いてみました。途中古い遺跡に出会いましたけれど、時間がなかったので立ち寄ることはできませんでした。何しろナコンシータマラート駅を14時20分発の普通列車に乗らなくてはならなかったため、本当に駆け足の市内観光となりました(ナコンシータマラート滞在は約3時間だけ…)。
パッタルンまで約100㎞列車の旅
乗車賃はたったの22バーツ!?
ナコンシータマラート駅で次の目的地パッタルン行きの切符を買いました。パッタルンまでは約100㎞もあるのですが、その乗車賃はたったの22バーツ!さらに驚いたことに、乗り込んだ列車内には私も含め1車両たったの7人しか乗客がいません。さらに途中からはとうとう私1人になってしまいました…。終点近くでまた何人か乗り込んで来たので最後は10人くらいにはなりましたが、こんな状態でも運営出来るのはやはり国鉄(国営)だからこそとつくづく思いました。
列車の中では話し相手のいないまま午後5時40分にパッタルン駅に到着です。とはいえ、列車内からの景色はタイ北部や東北部の景色とは少し異なり、南部独特のゴム林や変わった形の山、さらに短いですけれどトンネルもあり、結構目を楽しませてくれました。日の暮れないうちにトランまで移動しておきたかったので、駅に着くとすぐバイクタクシーに飛び乗りバスターミナルに向かいました。幸いな事に待つこと約10分で、すぐにトラン行きのバスに乗ることが出来ました。パッタルンからは約1時間でトランに到着です。
宿泊先は決めていなかったので、また例のごとくバイクタクシーに乗って運転手さんと一緒にホテル探し。運転手さん紹介の町のはずれにある安宿に泊まることを決めました。宿泊費はちょっと高めの450バーツでしたが、部屋も広くテレビ、クーラー付きでしたのでなかなか快適です。既に8時を過ぎていましたので、遅めの夕食を食べに外出しただけで9時には就寝しました。
国鉄トラン線の終点行きの列車がない!?
敢え無く乗り合いタクシーでガンタンへ
翌朝は5時に起床、身支度をして6時半にはホテルを出ました。トランには2時間少々しか滞在できませんでしたので、ホテルから近場の観光に出かけました。まずはすぐ近くにあったトラン県庁へ。建物は大きく立派でどっしりとした構えで、県庁にふさわしいものでした。休日の朝早かったせいもあり道路には人通りもほとんどなく閑散としていましたが、いかにもタイらしく朝早くから食堂が店を出していて、私もお腹が減っていたのでジョークを食べました。念の為ちょっと解説をしておきますが”ジョーク”というのは、日本で言う重湯(おもゆ)に近く米のつぶつぶの形がありません。そしてその中にきざみねぎ、しょうが、豚のひき肉などが入っています。皆さん方が通常食べる”カオトム”はいわゆるお粥で、炊いたご飯から作るので米のつぶが残っています。
街中の食堂で朝食をとった後、バスターミナルに行こうと歩っていたら、一風変わったモニュメントを発見したので写真に収めました。バスターミナルに着いて聞いてみると、次の目的地ガンタンに行くバスはないとのこと…。困っていたら、親切なサムローの運転手さんが「鉄道のトラン駅前に乗り合いタクシーがいるよ」と教えてくれました。早速そのサムローに乗って駅前に行き、乗り合いタクシーと交渉の結果40バーツで快諾。他にいた2人のタイ人と相乗りでガンタンに向かいました。

妙奇な形の山(パッタルン)(左) 町の象徴モニュメント(トラン)(右)
アンダマン海に面した港町ガンタン
ガンタンには約30分で到着。まずはガンタン駅で駅舎と国鉄トラン線の終点の記念撮影をしてから海に向かいました。ガンタンはトランの中でも外海がアンダマン海(インド洋)に面した港町で、漁業の町として栄えています。バイクタクシーに乗ってどこか見るべきところがないか聞いて見ましたが、特に観光者が行くようなところのない小さな町とのことでした。ただ一軒大きな海鮮レストランがあったので、せめておいしいシーフードを食べて帰ろうと思いましたが、時間が11時半と早かったせいもありあいにくの準備中…。列車の発車が12時40分でしたので、無理をすれば何とか間に合ったのかもしれませんが、 残念ながらパスしまた。
トランからの帰りの列車は故障のせいかクーラーが回り放しで、日中は良かったのですが寝台で横になってからは寒くて、ガタガタ震えながらホアランポーン駅に戻ってきました。『タイ国内の鉄道全線を列車で旅をする』という大目標も、今回の旅で残すはチェンマイ方面の「タイ国鉄北線」に乗ることだけとなりました。実際にはタイ南部のハジャイ以南の「南線」が残っていますが、現在イスラム過激派の戦闘が続いていて非常に危険なため、残念ながら現状では断念せざるを得ません。将来タイ国の南部が落ち着いて平和が取り戻せたら、そのときにはぜひ行きたいと思っています。近いうちに「タイ国鉄北 線」に乗るつもりでいますのでご期待ください。

田舎の鉄道の終着駅「ガンタン」(左) 線路の終点 (この先は海です)(右)
「コンテンツ提供:D-Mark Magazine」 ref.同誌第29号掲載PDF版