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日タイロングステイ交流協会

タイ国鉄の旅 ~マハーチャイ線・メークローン線~

2007年02月02日(金)

タイ国鉄の旅

マハーチャイ線・メークローン線

 

トンブリ朝の始祖タークシン王の騎馬像

トンブリ朝の始祖タークシン王の騎馬像

タイ国鉄の旅とはいえ、今回は日帰りも可能なお手軽な旅です。バンコクのウォンウィエンヤイ駅から、西へ約30kmのところにある港町マハーチャイと、そこからさらに西へ進んだところにあるメークローン。2つの路線を乗り継いでいくこのコースは、海産物が豊富な上、見どころ満載でお勧めのコースです。

(旅をした日:2006年12月24日(日))

 

マハーチャイまでの運賃はたったの10バーツ!

朝7時に家を出て、まずはタイ国鉄マハーチャイ線の始発駅であるウォンウィエンヤイ駅へ。この駅はバンコクの中心地からチャオプラヤー川を渡ったトンブリ地区にあるため、バスとタクシーを乗り継いで行きました。
(※編集部注:現在はBTSウォンウィエンヤイ駅が開通しているためBTSでもアクセス可能です。)

ウォンウィエンヤイ駅のすぐ横にある大きなロータリーの中心にタークシン王の騎馬像があります。列車の発車までまだ少し時間があったので、まずはその勇士を写真に収めました。ウォンウィエンヤイ駅は、以前にご紹介したカンチャナブリーへ行く西線の始発バンコク・ノイ駅よりもさらに小さく、プラットホームは1本のみでその幅はわずか5mくらいしかありませんでした。

とはいえ、この駅からマハーチャイ方面の利用者は非常に多いらしく、列車の本数は1日に17本もあります。窓口で切符を購入しましたがその値段を聞いてびっくりしてしました。なんと、マハーチャイまでの運賃はたった10バーツ(約30円)!タイ国鉄の安さにはいつも感心させられます…。

 

幻の鉄道!? メークローン線へ

ローカルだけど賑やかな「ウォンウィエンヤイ駅」

ローカルだけど賑やかな「ウォンウィエンヤイ駅」

マハーチャイへは1時間ほどで到着。駅前の道の両側には、海産物を販売するお店がびっしり軒を連ねていて、活きの良い魚介類や乾物が所狭しと並べられていました。聞くところによると、この辺りの海産物はバンコクに比べると3割ほど安いとのことです。バンコクから往復運賃20バーツをかけて来ても安い買い物が出来るわけですね。

しばらく歩いていると大きな川にぶつかりました。対岸のバーンレームに大きなお寺があると聞いていたので渡し舟に乗って行ってみることにしました。舟を降りたところで、たまたま家族で遊びに来ていた日本人のTさんと知り合いました。Tさんにお寺のことを聞いてみると、ここから車で約10分のところにあるということで、私とTさん、奥さんとお子さんの2組に分かれてバイクタクシーで向かうことにしました。初めてのバイク3人乗りだったのですが、怖くて右手はTさんの肩に左手はバイクの後ろの手掛けに必死にしがみついていました。

お寺でお参りをしたあと、Tさんから耳寄りな話を聞きました。ここバーンレームからメークローンというところまで、さらに別の鉄道が走っているそうで、鉄道好きの私としては聞いたとたんどうしてもこの鉄道に乗りたくなりました。Tさんたちもちょうどこれから行くところだというので、同行させてもらうことにしました。以前、マハーチャイからさらに西に鉄道が走っているという噂を聞いたことがありましたが、その”幻の鉄道”に乗ることが出来るかと思うとわくわくしてきました。

 

まるでバス感覚!?
手を挙げて列車を停める乗客

どこまでもどこまでも続く塩田風景

どこまでもどこまでも続く塩田風景

さらにいろいろ聞いてみると、マハーチャイ駅と川向こうのバーンレーム駅は、もともと線路がつながって1本の鉄道になるはずでしたが、その間にある大きな川を渡るための鉄橋を作る費用が無くなり、鉄道は現在のように途切れてしまったということです。終点のメークローン駅も、やはりそのすぐ先に大きな川があるため、マハーチャイ駅同様に終点となってしまったようです。現在タイ南部へ行く列車はナコンバトムの方を経由して遠回りしていますが、もしこの2つの鉄橋が出来ていたらもっと時間の短縮が出来ていたのでしょうね…。

発車まで少し時間があったので昼食を取りながら時間をつぶし、いよいよ13時30分発の列車に乗り込みました。列車は2両編成のディーゼル車で、乗客はぱらぱらしかいません。この路線は海岸近くの昔ながらの塩田風景の中を時速50㎞程度でコトコト走り、とても長閑な雰囲気に包まれていました。途中で突然列車が停まったので何事かと窓からのぞいて見たら、乗客が駅でもない所で手を挙げて列車を停めたのでした。これはまるでバスの感覚ですね…。さらに、たまたま大潮のため海水面が上がって線路が10㎝くらい冠水している区間があったのですが、列車はお構いなしに走り続けました。いずれも日本では考えられないことですが、タイだからこそ見られる風景だと思いました。

 

メークローン名物!
息ぴったりの商店街

メークローンに着く直前にTさんが、面白い光景が見られるので列車の後方に行ってみなさいと、アドバイスをくれました。何のことかと思いながら列車の後方の窓から外を見てびっくり!列車が通り過ぎた後から、線路沿いに並ぶお店の庇が次々と下ろされていくではないですか。後から知りましたが、この光景はタイでは非常に有名なのだそうです。メークローン駅の手前100mくらいの線路脇には、いろいろなお店が密着して並んでいますが、通行人は線路の上を歩くため、ここでは線路側がお店の表側。お店の前に日除けのために出している庇をそのままにしていると、列車の通行の妨げになってしまうのです。そのため、列車が来ると一斉に庇を上げ、列車が通り過ぎるとまたパタパタと下ろしていくのです。上下線合わせて1日8本の列車が通るとのことで、そのたびに庇の上げ下ろしがあるそうですが、中には上げるのを忘れてしまうお店があるのではないかと想像してしまいました。

メークローン駅に着いてからは、Tさんお勧めのラーマ2世王の博物館に行ったあと、帰りがけに大きな運河のところにある水上マーケットを発見しました。400バーツで舟1隻をチャーターしてちょっとした観光ツアーに出れるとのことでしたが、今回は時間もなかったので橋の上から見物するだけにしました。結構たくさんのお店が出て、水上での物売りをしていたのでなかなか面白いのかなと思いました。

タイの鉄道にはかなりたくさん乗ってきましたが、今回の鉄道の旅はお手軽で費用も安い上に、雰囲気も良く見所も沢山あったので大満足でした。若干強行スケジュールにはなりますが、日帰りも可能なのでぜひ一度チャレンジしてみて下さい。

 

信じられません!線路上の移動庇(ひさし)

信じられません!線路上の移動庇(ひさし)

一度回ってみたいメークローンの「水上マーケット」

一度回ってみたいメークローンの「水上マーケット」

 

 

 

 

 

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