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日タイロングステイ交流協会

続バンコク便り(8月号)

2011年08月19日(金)

コンテンツ提供:会友 斎藤宏氏
(元三菱電機、現在BKK滞在)

サワディー クラップ !

 

 こんにちは、皆さん暑さに負けず頑張っていますか。テレビによると今の時期ではバンコクよりも日本の方が気温的には高いようです。
 ただ違うのはこちらタイではまだ雨期のため、毎日決まったように雨が降ります。先日なども夕飯を食べに近くの食堂に出かけましたが、行くときには雨が降っていなかったので傘を持たずに出ましたが食事をしている間に雨が降り出したため、食堂で傘を借りてアパートまで帰りました。こんなことがしょっちゅうです。

 

BTSスクムヴィット線の延長開通

 さて8/12(金)はシリキット王妃のお誕生日で官公庁をはじめ会社などは休み(祝日)となり、タイ人は「Mother’s Day(母の日)」といって国民皆でお祝いをします。

 

日本では当たり前の紙幣の使える自動発券機

日本では当たり前の紙幣の使える自動発券機

 お祝いの行事はいろいろありましたが、この日を祝って皆さんおなじみの「BTS(スカイトレイン)のバンナー線(私が勝手につけた名前で、正式にはスクミット線といいます)」が従来の終点オンヌット駅から新終点の「ベーリング」まで延長された「開通記念の日」でもありました。ベーリングといっても皆さんピンとこないと思いますが、バンコク市の東のはずれに位置し、私のアパートからタクシーで7~8分程度のところにあります。私の会社は同じスクミット線のパヤタイにあるので、これからは渋滞に関係なく約1時間でBTS一本で会社に行くことが出来るのですごく便利になります。
 会社は8/12から4日間連休で旅行に行くつもりでしたが、このBTS新線に乗るため旅行に行く日を1日延してわざわざ行って乗ってきました。

 

 新線開通といっても駅にお祝いの飾り付けがあるわけではなく、これといったお祝い行事があるわけではなく、至って平穏そのものでした。乗車賃は新開通区間は年内はフリーですが、とりあえずオンヌットまでの往復を乗ってきました。
 7時過ぎでしたが休日のせいもあり乗客はまばらで、約10分で到着です。電車は高いところ(4階程度)を走るので、今までに見られなかった景色が見られ、特にこの新線を見越して作られたマンション群がすごい数立ち並んでいました。
 新線としてはあまり目新しいものは特になく、少し期待はずれでした。ただ一つだけ切符の自動発券機が従来はコインだけしか使用できませんでしたが、新自動発券機(まだ一部でしか使われていませんが)は、お札も使用できるものになっていました。

 

スリー パゴダ旅行記

 さて次は旅紀行の話です。今回はバンコクの西にあるカンチャナブリー県に行ってきたので、その様子をお伝えします。今回の旅の目的は、一つは「ミャンマーとの国境にあるThree pagoda pass (タイ語ではチェディー サーム オング…三仏塔峠)の見物」ともう一つは「王族の名前のついたワチラロンコン ダムの見物」の2つがありました。
 どちらもカンチャナブリー県のミャンマーとの国境近くにあるため、鉄道はありませんがバスもあるのかどうか不安があったのでまずはインターネットで検索し、バスはバンコクのバスタ-ミナルから朝7時に出ていることが確認できたので安心していました。
 ところがいざバスターミナルに着いて確認するとあるはずのバスがなく、次は9時30分しかないことが分かりどうしようかと迷いましたが、結局意を決して行くことにしバスターミナルで3時間待つことにしました。
バスは予定通り9時30に出発しましたが、車掌にバスがスリー パゴダに着くまでの時間を聞いたら6時間以上かかるといわれ、この日のスリー パゴダの見物はかなり厳しいけれどまずは行くことにしました。
 実はスリー パゴダのあるミャンマーの国境まではバンコクから350km以上あり、また途中からは険しい山道となるため、私自身ではとても6時間では無理と思っていました。
 途中までは幅も広い舗装道路で順調に走れましたが、案の定山道にさしかかると途端にバスのスピードが落ち特に上りの急勾配になると歩くのと同じようなスピードにまで落ちます。

 

 結局目的地の「国境の地スリー パゴダ パス」の約40km手前のサンクラブリーの町で16時40分となり、とてもこの日にスリー パゴダの 見物は無理と判断し、サンクラブリーでバスを降りここで泊ることにしました。

途中カンチャナブリーにあった連合軍の墓

途中カンチャナブリーにあった連合軍の墓

ダム湖に架かるモン木造橋(サンクラブリー)

ダム湖に架かるモン木造橋(サンクラブリー)

 

 

 

 

 

 ホテルはすぐ見つかりましたが、この日は涼しかったので扇風機の部屋を取りました(300バーツ/泊)が、部屋はガタガタで窓ガラスは割れているしトイレの水洗は壊れているしベッドはスプリングがもろ背中に当たるし、まあ値段からしたらしょうがないと思いました。
 この日はまだ陽があったので近くにあるモン木造橋を見に出かけました。このあたりにはモン族が多く住んでいて、ダム湖の対岸に渡るのに利用していて、今は人のみ通行できますが、昔は車も通っていたといいます。橋を渡ったりモン族の住まいを見たりしていましたが、途中から雨が降り出したためびしょ濡れになってホテルに戻って来ました。

 

 次の日は朝6時半のソンテオ(小型乗合自動車)に乗って目的地「スリー パゴダ パス」に向かいました。40分くらいで到着です。

国境近くの工場に通うミャンマーの女性達

国境近くの工場に通うミャンマーの女性達

 バス停からスリー パゴダに向かって国道323号線の下り坂を歩っていると、下から多くの女性たちが上ってくるのに出会いました。何でも国境のタイ国側に多くの工場(縫製や靴下の製造)があって、ミャンマーから毎日通ってくる工場労働者とのことです。
 女の子たちは皆同じような服装で上はブラウス・Tシャツそして下はスカートやミャンマー古来の巻きスカートをまとっていました。また顔には「タナカ」と言われるおしろいのようなものを塗っています。タイ人も塗る人がいますが、塗ると涼しくなるのと美容を兼ねているとのことです。また顔立ちは皆おとなしそうで純情な感じがしました。

 

 さて女性の鑑賞はこの辺にしまして、さらに道を下りてゆくと3つのパゴダが見えてきました。カンチャナブリーから延びる国道323号線はタイとミャンマーの国境で終端になりますが、スリー パゴダはその国境線上に建っています。始めパゴダはもっと大きいものと思っていましたが、意外と小さいもので高さはせいぜい4~5m程度でこじんまりとしたものでした。
 パゴダは折からの朝日を受けて輝き、小さいながらも荘厳な感じを受けました。

 

 またスリー パゴダのすぐ前に「The border peace temple」というタイ・日共同で平和を願って建てた寺院がありましたが、あまり手が入れられていないようでした。

国境線上に建てられたスリー パゴダ パス

国境線上に建てられたスリー パゴダ パス

タイ--日が協力して建てた平和祈念寺院

タイ–日が協力して建てた平和祈念寺院

 

 

 

 

 

 さらに隣を見ると両国の検問所がありましたが、さっきのミャンマーの女性たちはここを通って入国していました。手前側にタイの検問所が、そして道を挟んで向こう側にミャンマーの検問所がたっていました。

タイ—ミャンマー両国の検問所(現地人はフリーで通行可)

タイ—ミャンマー両国の検問所(現地人はフリーで通行可)

 建物もチェンラーイやメーソートにある検問所に比べると規模がぜんぜん小さいもので、こじんまりとしたものでした。現地人はフリーパスで行き来できますが、外国人はビザが必要です。私はビザを取らずに来ましたが、ただすぐ先がミャンマーの地(町の名前はパヤトンズーといいました)ですので何とか写真だけでも取りたいと思い、バイクタクシーのお兄ちゃんと話をしていたら、いいポイントがあるので連れて行ってくれるというので頼むことにしました。
 そこは小高い山の上の寺院で、パヤトンズーの街並みが一望できました。家はタイの田舎の家と同じような作りでしたが、近くにあった寺院はタイのものとは全然違って派手さはなく質素な作りでした。
 また彼の説明では、ここスリー パゴダ パスの地(タイ領)は大きくミャンマーの国に食い込んでいるので、周りの山並みはどちらを見ても皆ミャンマーの地だといっていました。ここはかつて第2次世界大戦のとき、旧日本軍がタイのカンチャナブリーからビルマ内陸部に向けて突貫工事で作った「泰緬鉄道」が通っていた場所で知られています。
 最後にバイクタクシーのお兄ちゃんから乗車賃240バーツを請求され大分高いと思いましたが、いろいろ珍しい話を聞くことが出来また思 いもかけないところに案内してもらったので、ご祝儀と思いその金額で支払いました。

 

 国境にはいろいろな土産物屋が店を出していましたので時間をかけて見て回りたかったのですが、この日はまだもう一つの目的地に行かなくてはならなかったため、見物もそこそこにまたロットトゥー(ワンボックス乗合自動車)に乗って次の町トーンパープームに移動です。
 道は山道でくねくねしていましたがずーと下りの舗装道路でしたので、70キロぐらいの猛スピードで走ったためたった1時間40分で到着しました。車の中で寝ようと思っていましたが、怖くてとても寝られませんでした。

 

ワチラロンコン ダム見学記

 ここトーンパープームの町には第2の目的地「ワチラロンコン ダム」があります。「ワチラロンコン」という名前は現プーミポン国王の男のお子様の名前で、以前書きましたが王族の名前の付いたダム巡り(全部で7か所)をしていて、今回は6番目のダムになります。ダムは一般的に辺鄙な山奥にありますので、どのようにしてたどり着くかが一番の問題です。ロットトゥーを降りるとバイクタクシーがいたので、ダム往復でいくらか聞いたら60バーツといいます。距離からしたら安すぎると思いましたが、とりあえず言い値で乗ることにしました。
 ダムまではおよそ4kmで途中きれいな公園があって、中には研修施設やレストランなどいろいろな設備が整っていて、多くの人たちが利用 しているとのことでした。

ミャンマーの田舎の風景(パヤトンズー)

ミャンマーの田舎の風景(パヤトンズー)

ダム堰堤への上り坂(ワチラロンコン ダム)

ダム堰堤への上り坂(ワチラロンコン ダム)

 

 

 

 

 

 約10分で到着しましたが、どこのダムも同じでダム入口に検問所があってガードマンによる検査があります。(検査といってもただ通行証を渡しているだけのように見えました。) ここのダムは堰堤の上に出るのに、ダム(堰)の中央付け根部分から堰堤の外側に上り坂がありました。(下手な説明より下の写真を見てください。) 日本でもいくつかのダムを見ていますが、このようなタイプは初めてでした。

 

ダム堰堤からダム湖を望む(写真は筆者)

ダム堰堤からダム湖を望む(写真は筆者)

 また他のダムでは必ず展望台があってダム湖が見渡せるようになっていますがここのダムにはそのようなところがなく、結局堰堤の上からしか景色が望めませんでした。

 

 ただダム湖としてはその面積はかなり大きなもので、長さとしてもダムのあるトーンパープームから隣のサンクラブリー(モン木造橋のあるところ)までの50km以上にも及んでいます。
   堰堤を渡って対岸まで行こうとしましたが、途中で通行止めになっていて行けませんでした。理由は通行止め区間の堰堤の下に発電所があるからのようでした。40分くらい見物していましたが、帰りのバスの時間が気になって早々にまた待たせていたバイクタクシーに乗って町に戻って来ました。

 

 運ちゃんに代金を聞いたら、200バーツ下さいと言われ一寸高いと思いましたがそのまま支払いました。その後バンコクに行くバス停まで 乗せて行ってもらいバスの時間を調べたら、3時間待ちの3時半しかないといわれ、やむを得ずカンチャナブリーまでロットトゥーで出てそ こでバスに乗り換えバンコクに戻ることにしました。計画性のない旅ですので、いろいろハプニングが起こります。でも7時前にバンコクのバスセンターに着き、アパートには9時前に無事帰りつきました。

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